さて、どうする?

二児の父が考えた子育て方針の備忘録。父親目線で育児について気づいた事を書いてます。

認知症老人が事故を起こしたら誰が責任取るの?

老人が運転する車による事故に関するニュースを、最近よくテレビで見ます。物損事故ならともかく、人命が失われる事故も多いです。特に子供が犠牲になった事故については、ニュースを見た多くの人が心を痛めています。

 

ドライバーが認知症の場合、責任能力無しとして不起訴になることが多い様です。「人を殺しても罪にならないのか!?」と憤る人も多いと思いますが、これは仕方がないと思います。認知症患者を有罪にしても更正させようがないですからね。明らかに無駄です。

ただ、被害者とその家族の感情としては納得いかない事も理解出来ます…

 

認知症患者の事故は誰が責任を取るの?

遺族は泣き寝入りするしかないのでしょうか?

家族に認知症患者がいる事を分かっているのに運転させる機会を与えた場合、その家族に罪は無いのでしょうか?

 

弁護士がわかりやすく解説したサイトがありました。

 

認知症患者でない人の場合

刑事責任→本人

民事上の賠償責任→本人

基本的には本人が責任を負うべきなので、たとえ本人に支払い能力が無かったとしても家族に責任が及ぶ事は無いようです。

ただ、本人に支払い能力が無い場合、賠償金の取り立てはなかなか困難になりそうです。

 

認知症患者の場合

刑事責任→無し

民事上の賠償責任→監督責任者(家族、介護施設運営者など)

認知症の程度によっては本人の責任になるケースもある。

 

認知症患者が事故を起こした場合はその監督責任者に責任が及ぶ可能性があります。

従って、認知症患者がいる場合は周りの家族が運転させないように管理する事が重要になります。

しかし、四六時中つきっきりで監視する訳にもいきませんよね…

 

認知症患者の運転を止めるには

一応、免許証返納という手段があります。認知症かどうかは別として高齢になったら自発的に運転免許証を返納するというものです。

でもこれが出来るのは冷静に自己判断ができる人ですよね。認知症患者にはそもそも無理な話なので、この制度に認知症患者に対する抑止力はあまりないと思います。

 

仮に認知症患者に運転免許証を返納させたとしてもなんの意味があるでしょうか?免許証があろうがなかろうがいつものように車を運転するだけだと思います。

結局は自分で運転しないと決めた人でなければ免許証返納の意味はありません。本人の意思が重要なのです。

というか、運転しないと決めれば良いだけなので、特に免許証を返納する必要もありませんね。運転はしないけど証明書代わりに免許証を持ち続ける人もいるかもしれません。

(ただ、返納すれば本人確認書類として使える「運転履歴証明書」が貰えるのであまり持ち続ける意味は無いですが。)

 

じゃあ認知症患者に運転させないためにはどうすれば良いか?

 

非常に簡単なのですが、

 キーをいつもと違う場所に置く

だけで良いと思います。

私の身近にいる認知症患者を見る限り、いつも同じ行動パターンを繰り返しており、普段と違うシチュエーションには対応出来ない場合が多いです。なのでキーの保管場所が変わった場合、見つける事は困難でしょう。

 

非常に単純かつ確実な方法ですが、いくつか問題が…

いつもの場所にキーがない場合、フラストレーションが溜まり、騒いだり暴れたりして家族が大変なおもいをする可能性があります。

また、認知症患者といっても肉親に対してキーを隠すという、ある意味では卑劣な手段を使えるか、という心理的な障壁もあります。

 

それができりゃ苦労はしねーよ!的な対策なのかもしれません。そこをなんとか耐えるのが家族の頑張りどころなのでしょうね…