さて、どうする?

二児の父が考えた子育て方針の備忘録。父親目線で育児について気づいた事を書いてます。

飲酒運転しても大丈夫と思っている人達

東名高速で痛ましい事故がありました。

 

子供を悲しませる事故というのは、子を持つ親としても見ていて本当に辛いですし、またそれが偶発ではなく1人の人間の身勝手な行動に起因しているとなると憤りを感じます。

 

この事件を見て、世の中には交通ルールについて甘く考えている人がいる、という事を再認識させられました。残念ながら、あまりにかけ離れた常識を持つ人が一定数はいるのです。

 

上の事故とはシチュエーションは全く異なりますが、以前、偶然に聞いてしまった飲酒運転に関する誤った認識についての話を紹介します。

 

銭湯で聞いた恐ろしい会話

何年か前の話です。スーパー銭湯でゆっくり湯に浸かっている時に、近くにいた若い男性二人組の会話がボンヤリと聞こえてきました。

男「…おれは酒飲んでもちゃんと運転出来るよ。」

友達「いやダメでしょw やめろって。」

男「なんで?今まで事故ったことないよ?」

友達「今まではそうだったかも知れないけど、今後は分からないだろ。」

男「それを言ったら酒飲んでなくても同じでしょ。誰だって事故の可能性はあるだろ。」

友達「いや、そりゃそうだけど…」

 

男は何故か運転に絶対的な自信を持っており、全く態度を改めるそぶりが無かったため、友達も説得は無理だと思ったのかここで話題は終わってしまいました。

 

そんなやりとりを聞いて、私もこの男を説得するのは一筋縄ではいかないだろうと思いました。一度痛い目に遭わないと分からないタイプの人かもしれません。

ただ、飲酒運転の場合は何かが起きてからでは遅いのです。

 

何が違うのだろう?

最初は想像力が欠如しているのではないかと考えてました。つまり、自分の行動がどの様な結果引き起こすか想像出来ない人だと。

しかし「酒飲んでなくても、誰だって事故の可能性はある」と言っているので、事故を起こしてしまう可能性がある事は理解しているようです。

 

それが分かってるのに、何で飲酒運転なんかできるんだo(`ω´ )o

 

彼に欠けているのは「目に見えない事実をリアルとして受け入れる力」ではないでしょうか? なんとなく想像は出来る、しかし目の前で起きていない事なのでリアルには受け入れられない。

当たり前ですが、現実に起こりえる事は目に見えても見えなくても全てリアルなのです。自分に都合の悪いことを、直接見えないからといって無かった事にするのは現実を受け入れていないという事です。

 

似た例としては、ネット上で見知らぬ誰かを根拠もなく厳しい言葉で批判する人がいます。恐らくはネットワークの先に生身の人間がいる事は知っているはずですが、目に見えない為に精神的な距離感が遠くなり「まあ、いいか」と気に留めないでしまう…きっと、本人を目の前にしたら同じ様に批判は出来ないはずです。

 

それって"教育の失敗"では?

教育によって理解力や計算力や創造力などの能力を伸ばす事は出来ます。

しかし「事実を事実として受け入れる」という事は全ての事の土台であり、それが出来ないとどんなに高度なスキルを持っていてもおかしな方向に進んでしまいます。もちろん人間ですから完璧は難しいですし、時には判断を誤ることもあるでしょう。

というか、基本的には情報を受け入れる際には何らかのバイアスがかかるものです(正常性バイアス)。しかしそれでもできる限りバイアスを排除して「事実を受け入れる」姿勢を持ち続けることが大切です。

人命に関わる事に関しては特に。

 

これは学校で教えることではありません。良い先生に当たれば教えてくれるかもしれませんが、基本的には親の責任です。出来ないとしたら、それはある意味「教育の失敗」なのだと思います。

 

親として出来ること

現実を受け入れる、ということは本来は辛いことでは無いと思います。むしろ精神的に楽になる事の方が多い。だって事実は事実なのですから自分ではどうしようもない事が殆どです。余計な判断はせずに事実に従うだけで良いのです。

東名の事故だって、最初に注意された時点で「そっか、邪魔だったか。」と事実だけを認識していれば良かったのです。

しかし、過度に恐れたり、必要以上の欲望を持つと、事実やルールを自分の都合の良い様に捻じ曲げる方向に思考が向かってしまいます。

 

今のところ出来るのはこれくらいでしょうか…

  • 子供が何かやらかした際に、執拗に叱らない。

あまり叱り過ぎると、不都合な事実を隠す様になってしまうと思います。まず事実をネガティヴに捉え過ぎない様にするのが大切だと思います。少なくとも親に対しては良い事も悪い事もありのままを伝えられる様になって欲しい。

 

  • 生活の中でルールを決めておき、どんな状況でもルール違反はダメだと徹底する。

個人の欲望よりもルールが勝る事を伝えたいためです。ルールの範囲内では望みを叶えるけど、そうでない場合はダメだと徹底する。

例えば、うちの子は夜9時以降になっても絵本を読みたがるので、心を鬼👹 にして拒否しています。本当に小さなことですが…しかもたまに破るし…💧

 

 

良くも悪くも現実を素直に受け入れられるように育てていきたいです。「現実」がどんなであれ、その人にとっては「解釈」が全てですからね。

 

『事実というものは存在しない。存在するのは解釈だけである。』

フリードリヒ・ニーチェ