他愛もないコラム(その2)
学生時代に友人がこんなことを言っていた。
「階段ってすごいよな。どこまでも登っていける。考えた人すごい。」
何を馬鹿なと思ったが、考えてみると確かにそうかも、と思い直した。自分の前を少しだけ高くする。こんな単純なことだけで原理的にはどこまでも高く登っていける。人の足でだ。
実際に高い階段を作るにはだいぶ技術と物資が必要なので、突拍子もない高さにはたどり着けない。
でも、自然の階段、つまり山に登れば8000メートル上空にまで人の足でたどり着ける。8000メートルったら、もうちょっとで飛行機の高さ(10,000メートル)ですよ。そんな所まで人の足で。凄すぎる。
もっと気軽な(?)方法もあって、体に大きな風船をたくさん付ければもっと高くへ行ける。実にくだらない方法だけど、本気で挑めば成層圏まで行けるんじゃないか。まあ多分死ぬけど。
技術とすら言えないような簡単な原理で、トンデモない所まで行けると考えると、何故か分からないけど本能的に怖くなってしまう。
ちょっと理由を考えてみだが、たぶん「自然に対する生身の人間の挑戦」だからと思う。
昔、ギリシャのイカロスが蝋で作った鳥の羽で太陽目掛けて飛び立ち、落ちていったように、自然に対する挑戦はことごとく見えない何かによって弾かれるのではないかと思ってしまうのだ。
まあ、自分はそんな無茶なことは絶対にしない(というか出来ない)ので全く関係ないんですけどね。
それをするのが冒険家という人たちで、本当に尊敬します。自分には無理です。