火のないところに煙は立たないが、その火は信じて良いのか?という話
根拠の無い噂話が広まった時に「火のないところに煙は立たない」と良く言われます。
噂話に対して「根拠は分からないけど、きっと何かしらの理由やキッカケがあってこの様な噂が出るのだろう」と考える。身も蓋もない言い方をすると、何も考えずに噂話を受け入れる際に自分を誤魔化すための方便みたいなものではないでしょうか。
たとえば、TVやインターネットなどで「経営者の〇〇さんは社員を怒鳴り散らすなど性格が悪いらしい」とか「芸能人の××さんは金に意地汚いらしい」というような特定の個人を対象とした噂話が散見されます。一応それらしい理由も書いてはありますが、第三者の感想であることが多く事実に基づいたものかどうか不明で、まさに「信じるかどうかはあなた次第」となります。この場合、全く根拠が無いので冷静に考えたら信じるに値しない情報のはずです。
しかし、人間は「意外性」というものに惹かれてしまうため「普段は真面目そうなあの人が噂通りだったら面白いなぁ」とか「儲かっているあの会社がブラック企業だったら面白いなぁ」などという期待が働き、その結果噂を肯定したくなり「火のないところに煙は立たない」の思考が発動してしまいます。またインターネットでは一度噂が立つと、確証バイアスにより結論ありきで噂を補完する様な情報が次々と出てきて、最初は噂話と認識していたものが無意識のうちに事実のように誤認しやすくなります。
確かに「火」(根拠、キッカケ)が無ければ「煙」(噂)が立たないのは、その通りだとは思います。しかし問題があるのは、その「火」が性善説に基づくことを無意識のうちに期待している場合です。つまり「噂」に色々と余計な尾ひれがついてはいるが少なくとも噂の発信元は事実なのだろうと無意識に信じている人が少なからずいるように思います。
でもそれはただの思い込みです。噂の発信元が正当であるかどうかなんて想像ではわかりません。もしかしたら恨みつらみや愉快犯的な理由により当人に不利になる真っ赤な嘘をばら撒いている可能性だってあるわけです。
そんなわけで、結論としてはシンプルというかごくごく当たり前の話になってしまいますが、、、
噂を信じちゃいけないよ by 山本リンダ
ということですね。